ソフト利用企業の5割以上が「40%以上の工数削減」を実感するも、6割が法改正による業務負担増を予測。
弥生株式会社は、全国の従業員100名以下の企業における給与計算担当者を対象に、令和7年度「年末調整」に関する意識や実務上の課題、法改正(「年収の壁」など)への対応状況、業務負担の実態を明らかにすることを目的に意識調査を実施した。
調査概要
調査期間:2025年9月6日~9月8日
調査対象:従業員100名以下の企業における給与計算担当者729名
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査結果
年末調整業務における運用方法の二極化が進行、ソフト活用により40%以上の工数削減効果が明らかに
一方で、紙運用や人手を介する工程では依然として負担が集中しており、特に提出状況の確認や配布回収、記入内容の確認などが大きな課題である。
令和7年度の法改正による「年収の壁」への対応については、制度変更自体の認知は進んでいるものの、具体的な業務影響の把握や対応策の検討は途上である。
実務現場では不安や負担増を予測する声が多数を占めている。 特に、ピーク期の業務逼迫や従業員対応の増加が懸念される中、デジタル化や業務プロセスの見直しによる効率化が今後ますます重要となることが示唆される。
調査詳細
<配布・回収の手段はソフト活用と紙の二極化が進行、ソフト利用企業では半数以上が40%以上の工数削減に>

令和6年度分の年末調整における申告書類の配布・回収では、運用方法における二極化が進行していることが明らかになった。配布・回収の手段は、「ソフト活用」が52.6%(国税庁年調ソフト11.2%、人事労務・給与計算ソフト41.4%)と半数以上となる一方で、「紙の申告書」は38.1%と運用方法における二極化が進行していることが明らかになった。

ソフト利用企業の工数削減効果については、配布・回収において「40%以上削減ができた」と回答したのが全体の57.1%となり、ソフト活用における自計化のメリットが顕著に表れている。
<年末調整期の負担は提出状況の確認や配布・回収といった人手起点の工程に集中>

年末調整業務での負担は「従業員からの提出状況の確認・督促」(34.2%)が最も多く挙げられ、次いで「従業員への各種申告書の配布」(25.0%)と、提出状況の確認や配布・回収、記入確認といった人手を介す作業が負担として挙げられた。また、「最新の法令の把握」(21.7%)といった、その年ごとの制度改正が大きな負担になっていることが調査結果から伺える。
<令和7年度分の法改正では、新たに「年収の壁」への対応も必要に>

「年収の壁」引き上げについて、「変更があることは知っているが具体的な業務影響は不明」と回答したのが47.6%で最も多い結果となった。次いで、「具体的な影響を把握している」は26.2%で、「対象者がいない」は21.7%であった。影響があり得る事業者に絞ると、約6割が「具体影響を把握できていない」状況であり、制度改正の実務対応は検討途上であることが明らかになった。

「年収の壁」引き上げによる年末調整業務の負担感については、全体の61.2%が増加を予測している。内訳は、「1~2割程度増」が20.5%、「2~3割程度増」が17.1%、「3~4割程度増」が13.4%と、ピーク期の業務逼迫リスクが高まる見込みである。一方で、「前回の年末調整とほとんど変わらない」と回答した企業も38.8%あり、対象者の少なさや事前準備の進捗が負担差に影響している可能性がある。
<調査データの引用に関するお願い>
調査データを使用する際は、下記クレジットを記載すること。
出典:「令和7年度 年末調整に関する意識調査」弥生調べ
データを加工しての使用は控えること。グラフデザインの再作成は可能である。
出典元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000341.000015865.html






