弁護士ドットコム株式会社が「物流業界における法改正対応・契約業務の実態調査」を実施した。
■調査背景
2024〜2026年にかけて、物流業界では物流総合効率化法、貨物自動車運送事業法(トラック新法)、取適法(中小受託取引適正化法)の3つの法改正が相次いで施行された。書面交付義務の強化や適正原価に基づく取引の義務化など、契約業務に直結する対応が求められている。
こうした法改正を受けて、現場の事務負担や契約業務の実態を可視化するため、同社は荷主・運送事業者・倉庫業者など物流業界に従事する担当者208名への調査を実施した。
■調査概要
調査機関:自社調査
調査方法:物流業界における契約業務担当者を対象にウェブアンケートを実施
調査対象:物流業界(荷主企業・貨物利用運送事業者・貨物自動車運送事業者・倉庫業者等)に勤務し、契約業務に関わる担当者208名
調査期間:2026年5月20日~5月27日
■結果サマリ
| 法改正に伴う事務作業量の変化 | 約9割が事務作業量が「増えた」と回答 |
| 事務作業の増加に起因する業務遅延の発生有無 | 約8割が「本来業務が遅れた経験がある」と回答 |
| 契約・発注業務における法改正以前の商慣習が残る実態 | 半数以上(52.9%)が「契約書を後付け(バックデート ※1)で締結することがある」と回答 |
| 商慣習における個人の意識 | 約8割がリスクや問題を「感じている」と回答 |
※1 契約書の締結日を、実際に署名・押印した日より前の日付にさかのぼって記載すること。
◼︎ 法改正で87%が事務作業量増加、4人に1人は倍増傾向(n=208)
3つの法改正によって事務作業量がどう変化したかを尋ねたところ、「増えた(大幅に増えた・増えた・やや増えた)」と回答したのは全体の87.0%。そのうち「大幅に増えた」は25.5%と4人に1人と負担が大幅に増大したケースもみられる。

事務作業の増加が原因で本来業務が遅れた経験が「ある(頻繁にある・ときどきある)」と回答したのは80.7%にのぼり、事務作業の負担が現場の生産性を下げている状況が確認された。

また、業種別に事務負担が増えた業務を尋ねたところ、「発注書・契約書のフォーマット見直しと締結・保存」が荷主側では(36.3%)、運送事業者側では(27.7%)と、特に負担が増えた業務として契約業務があげられた。

■ 4人に1人が契約締結に1ヶ月近く要し、紙・押印・郵送など商習慣・業務フローが残存(n=208)
負担の重い契約業務について、実際に契約締結(押印・郵送往復を含む)にかかる時間を尋ねたところ、「4週間以内」23.6%と、「1ヶ月超」3.8%を合わせて27.4%が、締結までに1ヶ月近くを要していることがわかった。締結に長い時間を要している背景には、契約のやり取りが今も押印・郵送・対面を前提としている業務フローがあると推測される。

◼︎ 半数以上が後付け(バックデート)で契約締結、契約なしで取引継続も多数(n=208)
こうした業務フローの中で、契約・発注業務の実態について尋ねたところ、「契約書を後付け(バックデート)で締結することがある」が52.9%で最多の回答があった。さらに、「契約なしで取引継続」が38.9%、「契約書の保管場所がすぐに確認できない」が35.1%と続いた。法改正で書面化が求められる中、現場ではこうした法改正以前の商慣習が根強く残っている実態が明らかになった。

「上記のいずれにも当てはまらない」「答えられない」と回答した方以外に、こうした商慣習に対してリスクや問題を感じているかを尋ねたところ、84.5%が「感じている(強く感じている・やや感じている)」と回答した。

■詳細レポートについて
本調査の詳細データを収録したホワイトペーパーは以下よりダウンロード可能だ。
出典元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000580.000044347.html




