人事書類の保管期間【一覧】|書類管理の負担を軽減し、効率化する方法 バックオフィス

人事書類の保管期間【一覧】|書類管理の負担を軽減し、効率化する方法

【この記事の要点】

  • 人事書類の法定保管期間は「労働関係:原則5年(経過措置3年)」「社会保険関係:2〜4年」「税務関係:7年」が基本であり、書類ごとに異なる「起算日(退職日・完結日・提出期日)」を正確に把握して管理する必要があります。
  • 退職者の雇用契約書や賃金台帳、タイムカードなどは「退職日」や「最後の記入日」が起算日となるため、従業員別・年度別の期限管理と定期的な廃棄サイクルの確立が情報漏えい防止の鍵です。
  • 法改正への対応とオフィスの省スペース化を両立するには、「紙書類のスキャナ保存」と「原本の外部倉庫保管」を組み合わせたハイブリッド運用が最も低リスクかつ効果的です。

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人事書類の保管・保存期間について、頭を悩ませる人事労務担当者の方は多いのではないでしょうか。どの書類をいつまで保存する必要があるのか、法改正情報をキャッチアップしながら把握するのは容易ではなく、業務上の負担にもなりがちです。本記事では、主要な人事・労務書類の保管期間一覧と、オフィスの省スペース化をかなえる効率的な書類管理のポイントをご紹介します。

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人事書類とは

  人事書類企業の人事・労務業務において必要な情報や手続きを記録・管理するための書類

人事書類には、雇用契約書や労働者名簿、賃金台帳、勤怠記録などが含まれ、それぞれ法令に基づいて一定期間の保管が求められます。これらの書類は、従業員との雇用関係を適切に維持し、労働環境を整えるために欠かせないものです。

人事書類の保管・保存

人事書類の保管・保存は、労働基準法や税法などの法令を守るだけでなく、退職後の労使トラブルや未払賃金の請求が発生した際に、自社の適正な労務管理を証明する重要な根拠となります。書類ごとに「2年・3年・5年・7年」と保存期間や計算の起点(起算日)が異なるため、書類の種類ではなく「いつ処分できるか」を基準に整理し、期日が過ぎたものは順次廃棄できる体制を整えておきましょう。

保管と保存の違い

● 保管:書類をすぐに取り出せるような状態で収納すること
● 保存:社内の保管庫などに長期間閉まっておくこと

細かなニュアンスの違いはありますが、実務ではほぼ同じ意味として使用されることが一般的です。どちらも適切な管理のもとで行うことで、必要な時に迅速に情報にアクセスできるようになります。

人事書類には保存義務がある

人事書類には、法的に定められた保存義務があります。
例えば「賃金台帳」の場合、労働基準法第109条において保存期間は5年と規定されています。この期間内はいつでも確認できる状態で保管しておかなければなりません。
保存義務を守ることは、法令遵守のみならず、会社の信頼性を保つためにも重要です。

人事書類には保存義務がある

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人事書類の保管期間【一覧】

人事書類の保管期間は関係法令によって明確に定められており、「労働基準法関係:原則5年(経過措置3年)」「社会保険関係:2〜4年」「税務関係:7年」に大別されます。特に退職者の書類は「退職日」、賃金台帳は「最後の記入日」、タイムカード等の勤怠記録は「対象となる給与の支払期日(実務上は締日・最後の打刻日)」が起算日となり、書類の作成年ではなく起算日ベースで保管管理を行わなければ法令違反となるため注意が必要です。

主要な人事・労務書類の法定保管期間一覧

分類書類の種類保存期間起算日(計算の開始日)根拠法令
人事・労務労働者名簿5年(※)従業員の退職日または死亡日労働基準法第109条、同規則第56条
雇入れ・退職に関する書類
(雇用契約書、労働条件通知書、履歴書、解雇通知書等)
5年(※)従業員の退職日または死亡日労働基準法第109条、同規則第56条
タイムカード、出勤簿、労働時間記録書類5年(※)その記録による労働日の属する給与支払期日労働基準法第109条、同規則第56条
36協定などの労使協定届(控)5年(※)労使協定の有効期限満了日労働基準法第109条、同規則第56条
派遣元・派遣先管理台帳3年派遣就業が終了した日労働者派遣法第37条・第42条
雇用保険雇用保険の被保険者に関する書類
(資格取得確認通知書、離職票の控等)
4年その手続きが完結した日(退職日等)雇用保険法施行規則第143条
雇用保険に関するその他の書類2年その手続きが完結した日雇用保険法施行規則第143条
社会保険健康保険・厚生年金保険に関する書類
(資格取得・喪失確認通知書、標準報酬決定通知書等)
2年その手続きが完結した日(退職日等)健康保険法施行規則第34条、厚生年金保険法施行規則第28条
労災保険労災保険の請求・支給申請に関する書類3年その手続きが完結した日労働者災害補償保険法施行規則第51条
労働保険の徴収・納付に関する書類(申告書控等)3年その手続きが完結した日労働保険料徴収法施行規則第72条
賃金・税務賃金台帳5年(※)最後の記入日労働基準法第109条
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、保険料控除申告書、住宅借入金等特別控除申告書7年その申告書の提出期日の翌日国税通則法第70条〜第73条、所基通
源泉徴収簿7年その書類の作成期日の属する年の翌年1月10日の翌日国税通則法第70条〜第73条
安全衛生健康診断個人票5年作成日(実施日)労働安全衛生規則第51条
安全委員会・衛生委員会の議事録3年開催日(作成日)労働安全衛生規則第23条

実務上の最重要ポイント(経過措置への対応)

労働基準法第109条に定める記録書類(労働者名簿、賃金台帳、雇入れ・退職書類、タイムカード等)は、法改正により本来の保存期間が「5年」と規定されています(第143条の経過措置により現行は当分の間3年を適用)。
しかし、未払賃金請求権の消滅時効期間(原則5年)や退職金請求権の時効(5年)、さらには2024年4月からの労働条件明示ルール改正への対応を踏まえると、労使トラブル防止の観点から「すべて5年間保存」で社内ルールを統一することが2026年現在の人事実務における確実なリスクマネジメントです。

参照元:改正労働基準法等に関するQ&A 令和2年4月1日 厚生労働省労働基準局(6ページ)
https://www.mhlw.go.jp/content/000617980.pdf

人事・労務関係書類|適切な保管のコツ

人事・労務書類を安全かつスムーズに管理するポイントは、「退職年度や完結年度ごとの仕分け」と「アクセス権限の厳格化」の2点です。人事書類は従業員ごとに退職や契約終了の時期が異なるため、書類の種類別ではなく「廃棄できる年度」ごとにまとめて保管しておくと、毎年の棚卸しや廃棄作業がぐっとラクになります。あわせて、電子データは閲覧権限の設定やパスワード管理を行い、紙書類は施錠できるキャビネットや専用保管室で管理するなど、情報漏えいを防ぐ環境を整えましょう。

【紙の人事書類:保管のコツ】
 ・保管棚に鍵をかける
 ・書類保管スペースには限られた人間しか入れないように鍵をつける
 ・書類保管室の入退室記録をとる(入退室記録システムの利用)
 ・セキュリティ管理された書類保管サービスに預ける

紙の人事書類:保管のコツ

書類は保存期間が過ぎたらまとめて廃棄できるように、保存期間が同じか近いものをまとめて保管しておくとよいでしょう。
ただし、人事・労務関係の書類は「完結の日」である退職日が起算日になるものも多く存在します。従業員を個別に管理し、その中で保管期間ごとにまとめておく方が効率的です。

 【電子データ書類の場合:保管のコツ】
 ・閲覧制限をかける(アクセス権を限定する)
 ・データにパスワードをつける

2019年4月に施行された労働基準法施行規則により、労働条件通知書は電子交付が可能になっています。電子化が可能な書類はなるべく電子に移行しましょう。
参考資料:https://www.mhlw.go.jp/content/000481172.pdf

毎年発生する「年末調整書類」の確認・保管に忙殺されていませんか?

年末調整の申告書(扶養控除等申告書など)は7年間の長期保存が義務付けられており、紙の回収・データ化・原本保管は人事担当者の通常業務を大きく圧迫します。BODでは、給与計算システムへの取り込みデータ加工から従業員の不備問合せ対応、書類のスキャニング・原本保管までトータルで支援しています。▼

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保存義務のない書類の取り扱い

法的な定めがなく、保存義務がない人事書類であっても適切な管理と慎重な取り扱いが求められます。不適切に扱えば情報漏えいや法的なリスクが発生する可能性があるためです。

【保存義務のない人事書類(例)】
 
給与明細/過去の社員の履歴書/面接評価シート/就業規則/各種規程 など

これらの書類は、使用目的が終わった段階で適切な方法で廃棄します。個人情報を含む場合は、機密文書処理サービスを利用するなどして、確実に処分しましょう。

独自の保管ルールを設定する

保存義務がない書類は、自社独自のルールを設けて管理することが推奨されます。例えば、書類を「短期」「中期」「長期」と分類し、各分類に応じて管理・処分の基準を決める方法があります。

短期保管書類は1カ月後、中期は3カ月後、長期は1年後に処分の可否を見直すなど、保管ルールを設けることで、書類の誤廃棄を防ぐとともに、必要時に迅速に取り出せる状態を保つことができます。

独自の保管ルールを設定

こうした管理ルールは全社的に統一し、全従業員に周知徹底することが重要です。部署ごとにルールが異なると、書類の所在や処分方法に不備が生じ、トラブルの原因となりかねません。

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保管期間が過ぎた人事書類の扱い

保管期間が過ぎた人事書類の取り扱いは、企業にとって重要な課題です。適切な処理を怠れば、個人情報漏えいや法的問題を引き起こす恐れがあるからです。

廃棄の手順

例えば、5年間の保管が義務付けられた書類の場合、6年目以降に廃棄します。こうすると他の重要書類の保管スペースを確保できます。

保管と廃棄のサイクルを回すように、保管期限の過ぎた書類は積極的に廃棄し、管理業務を効率化しましょう。

廃棄の手順

廃棄時の注意点

人事書類を廃棄する際には、情報漏えいを防ぐための対策が不可欠です。人事書類には多くの個人情報が含まれており、不適切な処理は法的なトラブルを招く可能性もあります。
これを防止する対策として、シュレッダーや機密文書の溶解処理サービスなど専門業者の利用があります。適切に処理することで企業の信頼性を維持でき、コンプライアンスの確保につながります。

廃棄時の注意点

人事書類は、「期間中の適切な保管・保存」と「期間終了後の安全な廃棄」のサイクルを正しく回す体制づくりが重要です。

自社のキャビネット整理や棚卸し、廃棄サイクルの策定にそのまま使える「書類別・法定保存年数&廃棄起算日チェックリスト」を無料配布しております。

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人事書類の保管期間【一覧】

人事書類保管の負担を軽減する方法

人事書類の保管・管理負担を抜本的に軽減するには、「クラウドツールによる保管期限の一元可視化」と「紙書類のスキャン代行+原本の外部専門倉庫保管」を組み合わせることが最も効果的な解決策です。社内リソースだけで過去書類の仕分けや電子化を進めると、通常業務が圧迫されて頓挫するケースが多いため、外部の専門リソースを活用して一気にペーパーレス基盤を整える企業が急増しています。 

ExcelやGoogleスプレッドシートの活用

ExcelやGoogleスプレッドシートは、データの整理や検索がしやすく、共有機能も備わっているため人事書類の効率的な管理に役立ちます。例えば、従業員データを入社日、退職日を含めてまとめておけば、人事・労務関係書類の保管期限も一目で分かり、業務効率化が期待できます。

人事労務SaaSの利用

人事労務SaaSを活用することで、クラウド上でのデータ管理や自動化が可能になり、手作業の負担が軽減されます。給与計算や勤怠管理などがシステム化され、人事情報の一元管理が可能になることで、書類保管業務の大幅な効率化が見込めます。

紙書類の電子データ化

人事情報のデジタル管理だけでなく、紙書類をスキャニングしPDFなどの電子データとして保存する方法もあります。
紙の書類を減らし、ペーパーレス化することで、物理的な保管スペースが不要となり、オフィスの省スペース化が実現します。また、電子データであれば、書類の検索性が上がり、業務のスピードと精度が格段に向上します。

勤怠管理システムの有効活用を

【アウトソーシングによる劇的な効率化効果】

実際にBODが支援した東証プライム上場企業(従業員10,000名規模)や大手インフラ・製造業の現場では、以下の体制により社内リソースを圧迫することなくスピーディーなペーパーレス化を実現しています。

原本のワンストップ物流保管:電子化完了後、手元に残る大量の紙原本を安全な自社物流倉庫へそのまま移送。法定期間満了まで徹底管理し、期限到来後の安全な廃棄まで一貫して請け負うことで、オフィスの保管スペースと管理工数を完全にゼロ化。

既存システムへの柔軟対応:自社専用にカスタマイズされたオンプレミス環境や既存の人事労務・給与計算システムに対し、取り込み用のデータ加工まで一括対応。

厳格なセキュリティ体制:監視カメラ完備、私物持ち込み制限のある専用ルームで作業を実施し、「給与計算実務能力検定」等の有資格者専任チームが個人情報・重要書類を取り扱い。

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よくある質問(FAQ)

Q
中途退職者の書類は、いつから数えて何年間保管すればよいですか? 
A

退職者の人事書類は「退職日」が起算日となり、労働者名簿や雇用契約書などは退職日から原則5年(労基法の経過措置中は3年)、雇用保険関連は4年間の保存が必要です。
中途退職が出るたびに個別で期日を追うと管理が煩雑になるため、実務では「2026年度退職者」のように退職年度ごとにファイルをまとめ、5年後の年度末にまとめて廃棄するルールにしておくと管理漏れを防げます。

Q
スキャンして電子化した書類は、紙の原本をすぐに捨てても問題ありませんか? 
A

e-文書法や電子帳簿保存法(スキャナ保存)の要件を満たしてデータ化していれば、法的には原本を破棄しても問題ありません。
ただし、雇用契約書や合意書など、将来的に労使間トラブルで筆跡や押印の確認が必要になる恐れがある書類は、万が一の裁判等に備えて法定期間中は外部の安全な倉庫などに原本を残しておく企業が一般的です。

Q
過去の人事書類が段ボールに大量に溜まっていますが、仕分け作業からすべて任せられますか?
A

書類の仕分けから対応している代行サービスを利用すれば、キャビネットや箱に入った状態のまま一括で任せることが可能です。
ホッチキス外しや年代・書類ごとの分類、スキャン後のファイル名変更はもちろん、既存の人事・給与システムに合わせたデータ加工まで一括対応できる事業者を選ぶと、自社の人事担当者が作業に追われることなくスムーズにペーパーレス化を進められます。

人事書類の管理は、もっとシンプルに

人事書類の保管は、工夫次第で大きく効率化できます。
電子化や保管ルールの整備を進めることで、業務負担を軽減しながら、法令遵守と情報セキュリティの両立も可能になります。まずは自社の現状を見直し、小さな改善から始めてみましょう。

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【事例】過去の人事データ書類のスキャン→仕分け→原本の保管/廃棄
1)過去の人事データ書類を保管場所からBODへ発送
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  各人事書類ごとに法令で定められた保管期間に基づき分類
6)保管期限内の書類をBODの物流倉庫にて保管の手配
7)当時点で保管期間の過ぎている書類は廃棄処分の手配

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