【中小企業DX化の落とし穴】ツールを入れたのに現場がラクにならない…約半数が「DX化が進んでいない」、8割が「作業増」を実感 NEWS
出典元:プレスリリース

【中小企業DX化の落とし穴】ツールを入れたのに現場がラクにならない…約半数が「DX化が進んでいない」、8割が「作業増」を実感

求められるのは“現場に寄り添う設計”

株式会社SMBが、中小企業の経営者・役員・管理職を対象に、「中小企業におけるDX推進の実態と課題」に関する調査を実施した。

調査概要:「中小企業におけるDX推進の実態と課題」に関する調査

近年、業務の効率化や競争力強化を目的に、多くの企業がDXに取り組むようになったが、その波は必ずしもすべての企業に均等に広がっているわけではない。
特に中小企業では、IT人材の不足や既存業務の属人化、コスト面の制約などから、思うようにDXを進められない現状が指摘され、現場では「どの業務から手をつけるべきかわからない」「導入したシステムツールが現場に合わない」といった声も見られる。

こうした中、実際に中小企業のDX推進はどの程度進み、どのような課題があるのだろうか。今回、株式会社SMB(https://www.smb-inc.co.jp/)が、中小企業の経営者・役員・管理職を対象に、「中小企業におけるDX推進の実態と課題」に関する調査を実施した。

【調査期間】2025年12月20日(土)~2025年12月23日(火)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】1,008人
【調査対象】調査回答時に中小企業の経営者・役員・管理職と回答したモニター
      ※業種:ブルーカラー業種(製造業、建設業、運輸業などが対象)
【調査元】株式会社SMB(https://www.smb-inc.co.jp/
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ

中小企業のDXは約半数以上が「進んでいない」と回答、導入したいシステムツールは? 

中小企業のDXは約半数以上が「進んでいない」と回答、導入したいシステムツールは?

はじめに、「あなたの会社では、業務のDXはどの程度進んでいるか」について尋ねたところ、以下のような回答になった。

『かなり進んでいる(11.5%)』
『ある程度進んでいる(33.6%)』
『あまり進んでいない(28.7%)』
『まったく進んでいない(26.2%)』

DXに着手しているものの、十分に進んでいると認識している層は限られていることが示された。進捗が二極化しているというよりは、多くの企業が道半ばで足踏みしている状況と捉えられそうだ。部分的なシステムツール導入にとどまり、業務全体の変革に至っていないケースが多い可能性がある。

DXを推進しているつもりでも成果を十分に実感できていない企業が存在することは、導入後の運用や現場定着にどのような課題があるのかを考える上で、重要な示唆と言えるだろう。

「DXが進まない理由」について尋ねたところ、『社内にIT人材がいない(36.3%)』と回答した方が最も多く、『何から始めればよいかわからない(21.3%)』『DXにかけられるコストがない(20.9%)』と続いた。

最も多く挙げられた「IT人材の不足」は、中小企業に共通する構造的な課題のようだ。
専門人材を確保できないことで、DXの企画段階からつまずいている様子がうかがえる。
また、「何から始めるべきかわからない」という回答が上位にあることから、情報や指針の不足も進捗を妨げている要因と考えられる。
コストや時間の制約とあわせて考えると、DXは意欲の問題ではなく、実行体制の構築そのものがハードルになっているといえるだろう。

現在、導入しているシステムツールの種類は何ですか?

業務DXの進捗度合いで『かなり進んでいる』『ある程度進んでいる』『あまり進んでいない』と回答した方に、「現在導入しているシステムツールの種類」について尋ねたところ、『給与・勤怠管理(43.2%)』と回答した方が最も多く、『会計(34.0%)』『顧客管理(CRM)(27.2%)』と続いた。

導入しているシステムツールは、給与や会計など業務上不可欠な領域に集中していることが示された。これらは法令対応や日常業務に直結するため、優先的にデジタル化が進んでいると考えられる。

業務DXの進捗度合い別の導入システムツール項目数の平均は、以下のような結果になった。

『かなり進んでいる:2.7項目』
『ある程度進んでいる:2.2項目』
『あまり進んでいない:1.9項目』

DXが進んでいる企業ほど、導入しているシステムツール数が多い傾向が見られた。ただその差は極端に大きいわけではなく、数を増やせばDXが進むという単純な構図ではないことも示唆された。

業務DXの進捗度合いで『かなり進んでいる』『ある程度進んでいる』『あまり進んでいない』と回答した方に、「自社におけるDX推進の成果について、どの程度満足しているか」と尋ねたところ、約6割の方が『とても満足している(15.2%)』『ある程度満足している(46.5%)』と回答。

約6割が満足と回答していることから、DXについて成果を感じている企業が一定数存在することが示された。一方で、『とても満足している』と回答した方の割合は限定的で、多くが『ある程度満足している』という評価にとどまっている。

この結果から、業務改善や効率化といった変化は実感されているものの、期待していた水準には達していないケースが多い可能性が考えられる。

どのようなシステムツールであれば導入してみたいと思いますか?

全員に、「どのようなシステムツールであれば導入してみたいと思うか」について尋ねたところ、『初期費用や月額費用が安価(35.6%)』と回答した方が最も多く、『導入や操作が簡単で、専門知識がなくても使える(35.4%)』『自社の業務フローに柔軟に対応できる(25.4%)』と続いた。

「コスト」と「使いやすさ」が上位に挙がったことから、中小企業にとってシステムツールの導入自体が、依然として慎重な判断を要する取り組みであることがうかがえる。
専門知識を前提としない設計や、導入後の支援体制が求められている点は、DXが進まない理由である『社内にIT人材がいない』とも強く関連している。システムツール選定の段階で、現場の目線が重視されているようだ。

システムツールの多様化が生む“新たな非効率”

システムツールの多様化が生む“新たな非効率”

導入システムツール項目で、2つ以上選択した方に、「システムツールが複数あることで発生している課題」について尋ねたところ、『システムツール間で再入力の手間がある(41.5%)』と回答した方が最も多く、『アカウントやパスワード管理が煩雑(35.0%)』『表計算ソフトでの再集計が必要になっている(33.6%)』と続いた。

システムツールを導入した結果、かえって作業が増えている実態が浮かび上がった。
業務ごとにシステムツールが分断されることで、情報の一貫性が保たれず、手作業が残っている様子がうかがえる。DXが効率化ではなく複雑化につながるケースもあり、全体設計の重要性が示されているといえるだろう。

業務DXの進捗度合いで『かなり進んでいる』『ある程度進んでいる』と回答した方に、「DXを進めたことで逆に作業が増えたと感じた経験はあるか」について尋ねたところ、8割以上の方が『とてもある(26.2%)』『ややある(56.3%)』と回答。

多くの企業がDXによって、作業量の増加を感じていることが示された。
新しいシステムツールへの入力作業や運用ルールの整備が負担になっている可能性がある。
DXは導入すれば自動的に効率化するものではなく、運用設計が不十分だと逆効果になり得ることが示唆された。

ここからは、業務DXの進捗度合いで『かなり進んでいる』『ある程度進んでいる』『あまり進んでいない』と回答した方に質問した。

「DXを進めたにもかかわらず、紙や表計算ソフトに戻った(または併用している)理由」について尋ねたところ、『入力に時間がかかる(30.1%)』と回答した方が最も多く、『システムツールが業務に合っていない(28.6%)』『システムツールでは対応できない業務がある(28.5%)』と続いた。

入力に時間がかかることが最も多く挙げられた点から、DXによって作業工程が単純化されるどころか、現場の負担が増しているケースが存在することが示された。システムツールが業務に合っていない、あるいは対応できない業務があるという回答が続いていることを踏まえると、導入時の業務整理や要件定義が十分でなかった可能性も考えられる。
前の質問で見られた作業増の実感とも整合し、システムツールを導入しただけでは業務改善につながらない状況がうかがえた。

現場が求める理想のシステムツールにはどのような要素が必要か

現場が求める理想のシステムツールにはどのような要素が必要か

「中小企業の現場に合うシステムツールが不足している理由」について尋ねたところ、『同じ業種でも会社ごとに業務フローが異なる(33.7%)』と回答した方が最も多く、『業務内容が会社ごとに異なり、標準化しづらい(33.5%)』『「人がシステムツールに合わせる」前提で作られている(32.3%)』と続いた。

中小企業の多様性が、システムツール開発の難しさにつながっていることが示された。画一的な設計では対応しきれず、現場とのミスマッチが生じているようだ。DXを成功させるには、業務に寄り添う仕組みが求められているといえるだろう。

現場が求める理想のシステムツールにはどのような要素が必要か

最後に、「中小企業の現場に合うシステムツールに必要だと思う要素」について尋ねたところ、『操作が直感的で、ITに詳しくない人でも使いやすい(27.8%)』と回答した方が最も多く、『現場ごとの業務フローに柔軟に対応できる(22.3%)』『自社の業務に合わせて柔軟にカスタマイズできる(22.0%)』と続いた。

「操作のしやすさ」が最も重視されている点から、中小企業の現場ではITスキルを前提としないシステムツールが求められていることが示された。加えて、「業務フローへの柔軟な対応」や「カスタマイズ性」が続いていることから、画一的な仕組みでは実務に適合しにくい状況がうかがえる。

前の質問で見られた「業務に合わないため紙や表計算ソフトに戻った」という結果とも重なり、使いこなせないシステムツールは定着しにくいことが示唆されている。DXを進める上では、高度な機能よりも、現場の業務に無理なく溶け込み、日常的に使われ続ける設計であるかどうかが、重要な判断基準になるといえるだろう。

まとめ:中小企業DXは「導入」から「定着」へ!現場視点の設計が成否を分ける

今回の調査で、中小企業におけるDX推進は、必要性が認識されている一方で、実行や定着の段階で足踏みしている実態が明らかになった。

DXに着手している様子は見られるものの、「かなり進んでいる」といえる企業は限られ、多くは部分的な導入や試行段階にとどまっている。その背景には、IT人材の不足やコスト・時間面の制約に加え、初期段階での進め方が見えにくいという課題があると考えられる。

導入されているシステムツールは、給与・勤怠管理や会計といった基幹業務に集中し、業務全体を横断するDXには至っていないケースが多く見られた。システムツール数が多い企業ほどDXが進んでいる傾向はあるものの、その差はあまりなく、単に導入数を増やすだけでは十分でないことも示唆されている。
また、DXの成果に一定の満足感を示す回答がある一方で、その多くは「ある程度満足」にとどまり、期待とのギャップを感じている様子もうかがえる。

さらに、システムツールの複数導入による再入力や作業増加、紙や表計算ソフトへの回帰といった結果からは、DXが必ずしも業務負担の軽減につながっていない現実が浮かび上がった。
これらを踏まえると、中小企業のDX推進においては、高度な機能よりも、現場で無理なく使い続けられる操作性や柔軟性、業務に寄り添った設計が重要だといえるだろう。

DXはシステムツール導入そのものではなく、現場に定着してこそ意味を持つ取り組みであり、その本質が改めて問われている。


出典元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000113102.html

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