DX推進」初めの一歩、文書管理とは?その目的と重要性を解説 バックオフィス

「DX推進」初めの一歩、文書管理とは?その目的と重要性を解説

社内で取り扱うさまざまな文書、必要なときにすぐ見つけられずイライラ…という経験はありませんか? 文書が適切に管理・保管されていれば、こうした業務の停滞は軽減されるはずです。文書の電子化、ペーパーレス化といったDXの推進が叫ばれるバックオフィス業務。その未来を生き抜くために、まずは文書管理の正しい方法から、分かりやすく解説します。

文書管理とは

  文書管理業務上で使用するさまざまな文書を管理すること

業務を行う上で、毎日手にするビジネス文書には、作成、整理、保管、破棄という‟ライフサイクル”があります。この作成から破棄までの一連のサイクルに沿って、文書を適切に管理することを文書管理と言います。これは、紙媒体だけでなく、データによる電子文書も含まれます。

文書管理の目的と重要性

文書管理には、コンプライアンス強化、業務効率化という2つの大きな目的があります。それぞれの重要性を解説します。

コンプライアンス強化

企業は社会的な責任を負い、機密情報や個人情報といった守秘義務のある文書を保管する必要があります。もしこれらの書類が外部に流出すれば、企業は信頼を失うだけでなく、損害賠償など訴訟に発展する可能性もあるでしょう。
文書管理を適切に行うことで文書の保管場所や利用者が明確になるため、情報漏えいも防ぐことができ、セキュリティ対策にも有効です。つまり、企業のコンプライアンスを強化するうえで文書管理は大変重要です。

業務効率化

文書が適切に管理されていれば、書類を探す手間を削減できるため、業務の効率化につながります。仮に、書類を探す時間が1日20分あるとすれば、月に換算すると7時間あまりに相当します(月の労働日数22日の場合)。文書管理が徹底され、必要な書類をスムーズに探し出せれば、この時間を大幅に削減できます。また、文書がすぐに閲覧できることにより、必要な情報やナレッジを従業員同士で円滑に共有し、有効活用することができます。

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文書管理の方法とポイント

文書管理を正しく行う方法、ポイントについてご説明します。

文書管理のルールを決める

文書管理を正しく行うには、社内全体でルールを統一し、運用することが必要です。同じルールを全社員が共有できれば、違う部署間でも情報共有をスムーズに行うことができます。社内の「文書管理規程」としてルール化するには、次に挙げる項目を明示しておきましょう。

ルール化する際に明示化する項目

【適用範囲】 :規程が適用される範囲。文書は紙の書類だけか、電子も含むのか
【編集・保管】:複製物、コピーの取り扱い/ファイル名のつけ方/保存期間、保管場所
【廃棄】   :廃棄する際の手順、方法
【罰則・改廃】:規程に違反したときの罰則、規程の改正や廃止の方法

ルール化は、総務部門が主となって担当します。ただし、電子文書に関しては情報システム部門と協力することで、セキュリティ面でより強固な文書管理が可能になりますね。

文書を分類する

文書は、「重要」「一般」など種類別、「顧客・取引先の名称」「部署名」など部門別に分類します。適切に分類、カテゴリー分けされていれば管理しやすいことはもちろん、書類を探す時間も短縮できます。

ファイリングの方法

文書管理にはファイリングも大切なポイント。ファイリングとは、文書をどのように保管・収納するか、ということです。紙の書類を整理する際の代表的な3つの方法をご紹介します。

【バーティカルファイリング】

書類を種類ごとにクリアファイルに入れ、キャビネットの引き出しや‟ファイルボックス”に垂直(バーティカル)に保管する方法です。1つのファイル内で量が増えた場合には、シールやラベルなどでインデックスをつけるとより管理しやすくなります。書類を綴じこまないため出し入れはしやすいですが、書類を紛失しやすいことがデメリットです。

【バインダーファイリング】

バインダーや厚型のファイルに書類を綴じこむ方法です。背表紙にタイトル・年代・種類・重要度などを記載すれば、必要なときに探しやすくなります。ただ、穴あけパンチなどでファイルに綴じる手間がかかります。また、書類の量に関わらずバインダーの厚みに応じた保管スペースが必要です。

【ボックスファイリング】

書類を挟んだクリアファイルなどを‟ファイルボックス”に保管する方法です。ボックスごと自席に運んで作業できるのが便利なところ。ただし、クリアファイルと‟ファイルボックス”の2つを使うためコストがかかること、バインダーと同様に保管スペースが必要になることが難点です。

文書の電子データ化・管理システムの活用

文書を電子データ化して管理する方法もあります。電子データとして作成された電子文書や、紙の文書をスキャンした電子化文書(PDFなど)を、「文書管理システム」を使用して管理する方法です。
文書管理システムとは、電子化した文書の‟ライフサイクル”に沿って、一元管理できるサービスのこと。文書を手作業で分類、保管、破棄するには大変な労力が伴いますが、システムを利用することにより、作業スピードが大幅に上がるうえ、ペーパーレス化も実現できます。

また、電子帳簿保存法の改正により、2024年1月からは電子取引のデータ保存が完全義務化されました。これによって、文書の電子保存は必然にもなっています。

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文書管理システム導入のメリット

文書管理システムを用いて企業内の文書やデータを登録することで、これまで手間がかかっていた文書の保存や管理を簡単に行えるようになります。この項では、「文書管理システム」を導入することで得られるメリットについて、ご説明します。

【文書管理システムの主な機能】

・検索・閲覧機能
・バージョン管理、バックアップ機能
・セキュリティ機能(アクセス権限など)
・保管期限、更新日のスケジュール管理機能
・書類の申請・承認などワークフロー機能

ペーパーレス化の促進

文書管理システム導入の一番のメリットに、ペーパーレス化の促進があります。ペーパーレスになることで紙代、印刷代のコスト削減はもちろん、紙書類の保管スペースの確保や移動作業も不要になります。保管スペースが削減できれば、その場所を別の用途に利用できるほか、書類の仕分けやファイリングなどの手間を軽減できるメリットもあります。リモートワーク中に紙の書類を見るためにオフィスへ出勤することもなくなります。
ペーパーレス化は、SDGsや環境への配慮といった社会的責任に取り組むことと同義です。つまり、企業価値の向上にも役立ちます。

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コンプライアンス対応

必要な情報をいつでも、素早く取り出せることで、顧客クレームやトラブルが起きた場合にも、すぐに情報を取り出して顧客への説明責任を果たすことができます。スピーディーで確実なコンプライアンス対応は、顧客満足度の向上につながります。

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紛失リスク・紙の劣化リスクを回避

文書管理システムの「検索機能」を利用すれば、スピーディーな情報共有が可能です。
電子化された文書を検索する際、ワードの完全一致はもちろんのこと、あいまいな検索ワードにも対応しているシステムが多いです。これが紙文書の場合、資料の名前がはっきり分からないと、それらしい保管場所を全て探し回らなくてはいけません。検索機能を使えば、検索してすぐに閲覧、共有することができ、社内全体の効率アップが期待できるでしょう。

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アクセス制御によるセキュリティ強化

文書管理システムの「アクセス制御機能」を活用すれば、自社のセキュリティ強化にもつながります。
例えば「機密書類の閲覧は社の上層部と関連部署に限定する」といったように詳細なアクセス権限の設定が可能です。そのため、データの持ち出しや改ざんにも対応することができます。また文書をバックアップしておくことで、事故や災害が起きても文書を復元して業務遂行でき、BCP対策にも有効です。

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文書管理は「DX推進」初めの一歩

文書管理を正しく行い、文書管理システムを導入することは、昨今声高に叫ばれるDX推進のきっかけにもなります。

DXとは、経済産業省により「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義づけられています。

つまり、文書管理システムによって“文書を電子化して”管理すること、それ自体が企業のDX推進の第一歩になりうるのです。もちろん単に文書を電子化するだけ、文書管理の一部をシステム化するだけでは真のDXとは言えません。システムを利活用し、これを足がかりとして企業全体のデジタル化を推進することが重要です。まずは、DX推進の初めの一歩として、文書管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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