システム対応が遅れている「医療」「飲食」「教育」の3業種では、手作業での人事データ集計にかかる人件費は年間最大約397億円
統合型人事システム「ジンジャー」を提供するjinjer株式会社は、企業の労務担当者900名を対象に、「“40年ぶりの労基法改正”に関する実態調査」を実施した。
- 調査サマリー
- 調査の背景
- 調査概要
- 回答者属性(業種/従業員数)
- 現在議論されている労基法改正の内容について、50%が「聞いたことがある」「知らなかった」と回答。詳細な内容まで把握しているのは20%にとどまる
- 改正が検討されている主な項目において、対応が最も難しいと感じるものは「勤務間インターバル制度の義務化」という結果に
- 「14日連続勤務」が発生しそうになった場合、73%の企業が事前に検知できない
- 勤務間インターバル制度へ対策を進めているのは55%という結果に。約45%は「ルールの呼びかけにとどまる」あるいは「特に対策していない」と回答
- 休日出勤が発生した際の「法定休日」と「法定外休日」の判別・集計に関して、40%の企業がシステム上で自動で対応できると回答
- 有給休暇取得時の賃金について、法改正によって「所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金」へ統一された場合の対応方法について、現状の「システムで対応可能」と回答したのは45%
- 人事関連の各システム間のデータ連携に関して、41%の企業が「手入力」や「CSV連携」で対応している。より効率的な労務管理につながる「人事データの一元管理」ができている企業は、31%にとどまるという結果に
- 人事データの一元管理は特に「医療・福祉業」「教育・学習支援業」「宿泊業・飲食サービス業」の業種において進んでおらず、その人件費は最大で年間397億円程度という試算に
調査サマリー

※本調査の結果に基づき、対象3業種(「医療・福祉業」「教育・学習支援業」「宿泊業・飲食サービス業」)における「人事データ整備の人件費」を、以下の項目で掛け合わせ、1年間の総額を試算している。
・対象企業数(従業員100名以上のみ):令和3年経済センサス‐活動調査を参照
・想定時給:職業情報提供サイト「job tag」(人事事務)を参照
・人事データ整備に発生している平均人月:本調査結果を参照
調査の背景
現在、労働基準法の改正が大きな注目を集めている。当初、2026年3月までの法案提出と同年中の議論進展という具体的なロードマップが示され、40年ぶりの大改正に向けた準備が加速してきた。近年の情勢により、法案提出時期の再検討が報じられるなど流動的な側面はあるものの、検討項目そのものの重要性と、企業に求められる抜本的な対応の必要性は変わらない。
本改正では、「14日以上の連続勤務禁止」や「勤務間インターバル制度の義務化」といった労働時間の厳格な規制に加え、「法定休日の特定義務化」や「有給休暇の賃金算定ルールの変更」など、企業経営の根幹に関わる重要項目が議論されている。
企業の対応準備の実態を明らかにするため、jinjer株式会社は労務担当者900名を対象に調査を実施した。その結果、法改正への対応を阻む「人事データ管理の不備」という構造的な課題が明らかになった。
調査概要
・調査概要:「“40年ぶりの労基法改正”に関する実態調査」
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2026年1月13日~同年1月14日
・調査対象:従業員数100名以上の企業に勤める労務担当者900名
回答者属性(業種/従業員数)


現在議論されている労基法改正の内容について、50%が「聞いたことがある」「知らなかった」と回答。詳細な内容まで把握しているのは20%にとどまる

40年ぶりの改正とされる今回の内容について、どの程度把握しているかを尋ねたところ、詳細まで把握していると回答した層は20%にとどまった。一方で、「聞いたことがある(26%)」と「知らなかった(24%)」を合わせると、50%の企業が内容を十分に把握できていない実態が明らかとなった。
改正が検討されている主な項目において、対応が最も難しいと感じるものは「勤務間インターバル制度の義務化」という結果に

改正検討項目のうち、自社での対応ハードルが最も高いと感じるものは、「勤務間インターバル制度の義務化(44%)」であった。次いで「副業・兼業者の労働時間通算(30%)」「法定休日の特定義務化(30%)」が続く結果となった。
「14日連続勤務」が発生しそうになった場合、73%の企業が事前に検知できない

「14日連続勤務」の禁止が検討されている中、発生を事前に検知できる仕組み(予兆検知)を持つ企業は28%にとどまった。残りの73%は、「月末の締め作業での事後検知(37%)」「特にチェックする仕組みがない(19%)」「自己申告・上長の記憶頼み(17%)」と回答しており、法違反を未然に防ぐ体制が不十分である実態が明らかとなった。
勤務間インターバル制度へ対策を進めているのは55%という結果に。約45%は「ルールの呼びかけにとどまる」あるいは「特に対策していない」と回答

現時点での勤務間インターバルへの対応について尋ねたところ、「特に対策やルールがない(27%)」、または「ルールはあるが個人の意識に任せている(20%)」と回答した企業が合計47%にのぼった。システムによる対策や具体的な制度導入を進めている企業は限定的であることがうかがえる。
休日出勤が発生した際の「法定休日」と「法定外休日」の判別・集計に関して、40%の企業がシステム上で自動で対応できると回答

休日出勤時の割増率判定について、システムで自動判別できている企業は40%にとどまった。一方で、35%の企業は「人事担当者による目視と事後修正」を行っていると回答した。
有給休暇取得時の賃金について、法改正によって「所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金」へ統一された場合の対応方法について、現状の「システムで対応可能」と回答したのは45%

有給休暇取得時の賃金算定が「所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金」へ統一された場合、「現状のシステムで対応可能」と回答した企業は45%であった。一方、「手入力での対応が必要(33%)」「現状のシステムでは対応不可(22%)」とする企業も多く、法改正を見据えたシステム改修や業務運用の見直しが求められる状況である。
人事関連の各システム間のデータ連携に関して、41%の企業が「手入力」や「CSV連携」で対応している。より効率的な労務管理につながる「人事データの一元管理」ができている企業は、31%にとどまるという結果に

人事関連システム間のデータ連携方法については、「手入力(21%)」や「CSV連携(20%)」といったマニュアル作業が41%を占めた。人事データを一元管理できている企業は31%にとどまっている。
人事データの一元管理は特に「医療・福祉業」「教育・学習支援業」「宿泊業・飲食サービス業」の業種において進んでおらず、その人件費は最大で年間397億円程度という試算に

業種別に見ると、人事データを一元管理できている企業の割合は、「学術研究・専門・技術サービス業(38%)」「農業・林業(33%)」「製造業(32%)」で高い一方、「医療・福祉業(20%)」「教育・学習支援業(15%)」「宿泊業・飲食サービス業(13%)」では低い結果となり、業種間のばらつきが顕著であった。


人事データの確認・集計・転記といった実務に関与する人数については、「5名以上(30%)」「3名(29%)」と、59%の企業が3名以上の体制で対応していることが分かった。
また、人事部門1人あたりの月間作業時間は、「3~4日程度(16~32時間未満)」が最も多い結果となった。
今回の調査結果から、多くの企業において人事システム間のデータ分断により、人を介したデータ整備が必要となっている実態が明らかになった。その結果、データ転記や修正に膨大な工数が費やされていることが浮き彫りとなった。
jinjer株式会社:https://jinjer.co.jp/
出典元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000457.000089626.html




