IT資産管理とは|定義や目的を詳しく解説 物流

IT資産管理とは|定義や目的を詳しく解説

現代の企業環境では、情報技術資産(IT資産)の管理が極めて重要です。IT資産の量と種類が急速に増加し、セキュリティ脅威やコンプライアンス要件が厳格化する中で、適切な管理は企業の存続と競争力に関わる重大な要素となっています。

この記事では、IT資産管理とは何か、その定義や目的、IT資産管理が注目されている背景を解説します。

IT資産管理の定義

IT資産管理は、組織内の情報技術(IT)資産を効果的に追跡、監視、制御し、最適な利用を促すことです。この取り組みにより、組織はIT資産を最大限に活用し、コストを最小限に抑えることができます。

具体的な管理対象

ハードウェア

ハードウェアを管理する際には、単に台数を数えるだけでなく、発売年や購入年、CPUやメモリなどのスペック情報も把握することが必要です。さらに、経年劣化による損傷の可能性も考慮し、導入年をしっかり把握することが重要です。

■パソコン
■サーバー
■USBメモリ
■タブレット
■スマートフォン
■マウス
■キーボード
■プリンター
■モデム など

ソフトウェア

アプリケーションソフトウェア、オペレーティングシステム、データベース管理システムなど、コンピュータで実行されるプログラムやシステムが対象となります。ソフトウェアの管理では、ライセンスの把握やセキュリティパッチの適用などが重要です。

■OS(Windowsなど)
■アプリケーション(エクセル、Officeなど)

ライセンス類

ライセンス管理では、組織が所有するソフトウェアのライセンスの数や内容を把握し、管理をします。ライセンス違反を防ぎ、法的な問題を回避するために不可欠な要素です。

■利用できる端末数
■インストールできる回数


IT資産管理は、これらの要素を総合的に考慮し、組織のIT環境を効率的かつセキュアに運用するための戦略的な取り組みです。

IT資産管理の定義

IT資産管理の目的

IT資産の効率的な運用

IT資産管理の主な目的は、企業が所有するIT資産を把握し、そのIT資産を効率的に運用することです。

例えば、コンピュータは実物があるため簡単に数えることができますが、ソフトウェアの場合は実態がないため管理が複雑です。
それぞれのコンピュータには異なるソフトウェアがインストールされている可能性もあるため、一つ一つのコンピュータの中身を正確に管理する作業は容易ではありません。
しかし、IT資産管理が不足している場合、ソフトウェアのライセンスが余っているにもかかわらず、新たに購入してしまう可能性があります。

さらに、どのソフトウェアがどの機能を提供しているのかも正確に把握する必要があります。IT資産管理が不足している場合、同じ機能を持つ複数のソフトウェアを誤って導入してしまうことがあります。
このように、すでに自社が所有している資産を把握していないことが原因で無駄なコストが発生するといった事態を防ぐために、IT資産管理は必要不可欠です。

セキュリティ強化

IT資産管理を行うことで、IT資産のセキュリティやライセンス遵守を確保し、セキュリティリスクや法的なリスクを軽減します
例えば、企業が所有するパソコンに古いOSや、アプリケーション、またはウェブブラウザがコンピュータにインストールされていると、マルウェア攻撃などのセキュリティ脆弱性に対する脅威が高まります。そのため、未更新のコンピュータの数や場所を正確に把握し、定期的に更新する必要があります。IT資産管理をしっかり行っていれば、脆弱性が見つかった場合に迅速にアップデートできます。

さらに、USBメモリやスマートフォンなどの外部記憶デバイスを使用する際には、情報漏洩などが起こらないよう、どんな外部記憶デバイスをだれが使用しているのかを正確に管理をする必要があります
セキュリティ対策を強化するためには、IT資産管理を徹底的に行うことが不可欠です。

コンプライアンスの強化

ソフトウェアのライセンスは厳格に管理すべきです。企業内で不正コピーされたソフトウェアを使用すると、ライセンス違反になり、罰金などの制裁を受ける可能性があります。さらに、不正なソフトウェアの使用は企業の信頼を損なうことにもつながります。

この問題を予防するために、ライセンスの内容を正確に把握し、IT資産管理をしっかりと行うことが必要です。

IT資産管理の目的

IT資産管理が注目されている背景

IT資産管理が注目されている背景として、昨今注目されている「DX」と「働き方改革」が挙げられます。

DX推進の基盤としての役割

デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためには、業務効率化やデータ活用などのDXの目的に必要なITツールを整備する必要があります
自社が持つIT資産、すなわちパソコン、ソフトウェア、利用中のサービスなどを把握していないと、新たに導入すべきツールやシステムを判断することができません。
適切なIT資産管理を行うことで、既存システムの見直しや、ムダなコストや作業を発見しやすくなります。
これが、どのようなDXが必要かを検討する際に役立つ要因です。

働き方改革の実現

IT資産管理は、働き方改革の実現にも寄与します。
まず、自社のIT資産で多様な働き方(例: テレワークなど)を実現できるかどうかを判断できるようになります。
IT資産を管理していれば、必要なITツールの過不足を素早く把握し、新しいツールの導入に関する意思決定をサポートします
また、IT資産管理システムには、従業員の勤怠状況や操作ログを把握できる機能も含まれているものもあります。
この機能を使用することで、従業員の実際の勤務状況を具体的に把握でき、残業や労働時間の最適化に役立ちます。

IT資産管理の重要性

IT資産管理は、現代のビジネス環境において極めて重要です。正確な資産の把握は、コストの最適化、セキュリティの向上、効率の向上といったメリットを享受できます。また、社内のハードウェアやソフトウェアの情報をきちんと管理し、ライセンスコンプライアンスを確保することで、法的なリスクを回避し、無駄な支出を防ぎます。さらに、働き方改革にも貢献し、柔軟性を持った労働環境を実現します。

つまり、IT資産管理は企業の成長戦略に不可欠な要素であり、無視できない役割を果たす取り組みです。

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