失敗しないマニュアルづくりをご紹介
マニュアル作成でこんなお悩みはありませんか?
「上司や先輩に業務のやり方を教えてもらったら、マニュアルを作っといて!と上司や先輩に言われた」
「せっかく一生懸命作ったマニュアルが分かりづらいと言われた」
「マニュアルは作っておいたのに、直接質問されたり問い合わせが多い」
この記事では、マニュアル作成について上記のようなお悩みをお持ちのあなた向けに、「失敗しないマニュアル作成のコツ」について解説します。
結論を先にお伝えすると、失敗しないマニュアル作成のコツは、ずばり以下の4点です。
- 読み手・用途・閲覧シーン・ゴールを明確にする
- よりわかりやすいマニュアルになるよう、構造・構成を決め、表現・文章を工夫する
- 実際にマニュアルを見て業務・作業をしてもらい、マニュアルを改善する
- スケジュール・作成者を決め、最初から100点を目指さない
ひとつひとつ解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください!
マニュアルの目的・役割を改めて意識しよう
マニュアル作成を始める前に、マニュアルの目的・役割を意識しておくことが大切です。
なぜなら、目的がぶれたままマニュアルを作ってしまうと、マニュアルを見る・読む人が困ってしまう場合があるからです。
では、マニュアルはなんのために作成するのでしょうか?
誰かに業務や作業手順を伝える、困ったときに対処法を見る、社内業務の引き継ぎ・・・
などなど、色々思い浮かぶと思います。
しかしそれらをまとめると、マニュアルの一番根本の目的・役割は、求められたタイミングでマニュアルを見れば、
「”決められたやり方” で ”すべての人” が ”同じように” 業務をできる」ことです。
特に社会から利益を上げることを求められる企業においては、限りある時間を有効に活用し、いかにミスやロスを削減して成果を最大化するかがカギになります。
これは言い換えると、いかに業務効率を上げて生産性を高めるか?ということです。
日々の業務の中で、必要なタイミングでマニュアルを見たときに、決められたやり方ですべての人が同じように業務ができるようになれば、無駄な時間が減り、仕事の生産性が向上し、結果的に売上が向上することに繋がります。

マニュアル作成でよくある落とし穴
マニュアル閲覧者の困りごと
ここで視点を変えて、マニュアルの読み手・読者・閲覧者側の目線に立ってみましょう。
あなたがなにか業務や作業をする際にマニュアルを見ようとしたとき、こんな経験はないですか?
- どのマニュアルを見ればよいのか分からない
- 手順書に書いてある内容・用語の意味が分からない
- ポイントだけを知りたい・不明点を解消したい
- 実際にやってみるとうまくいかない

では、これらの状況はなぜ起こるのでしょうか?
それは、マニュアル作成にはよくある落とし穴・失敗パターンがあり、多くのマニュアルがその落とし穴にはまってしまっているためです。
逆に言えば、”マニュアル作成の失敗パターンを理解して回避しながらマニュアルを作成すると、マニュアルを見れば「”決められたやり方” で ”すべての人” が ”同じように” 業務をできる」状態にできると言えます。
マニュアル作成が失敗する理由
マニュアル作成が失敗する理由はたくさんありますが、まとめると以下の4点です。
- 作成するマニュアルの設定があいまい
- 構造・構成が不適切
- 文章・表現が不適切
- 作成して終わりになっている
作成するマニュアルの設定があいまい
マニュアルは読み手(閲覧者)がいてこそのものです。
そのため、閲覧者と閲覧してもらうシーンの具体的な想定が大事になってきます。
この想定・設定・定義が曖昧だと、全体像が掴めず、マニュアルを見ても業務内容が伝わらないことがあります。
カレーの作り方をマニュアル(=レシピ)化する例を考えてみましょう。
まずレシピを見る人が、カレーを作ったことがないのか、頻繁にカレーを作っていてスパイスからこだわって作りたいのかによって、準備する食材や流れは全然変わってきますよね?
また、どんなシーンでレシピを見るかによって、どんな媒体で見てもらうかも変わってきます。
自宅でカレーを作る場合はゆっくりモバイル端末で動画を見ながらでもいいですが、レストランの厨房でカレーを作る場合では、忙しいので動画をゆっくり再生している時間はありません。むしろわからないところだけを紙でさっと確認するほうが理にかなっている場合もあります。

構造・構成が不適切
業務や作業の構成が上手に構造化されていないと、頭に入ってきづらく同じように業務や作業をすすめることが難しくなります。
また、作業の順番がそもそも間違っていたりするとミスやロスにつながってしまいます。
カレーづくりの例で言えば、火が通りやすい食材から炒めてしまったり、ルーが煮立ってからご飯を炊いてしまったりすると非効率ですよね?

文章・表現が不適切
網羅されているもののどこが重要かわかりづらかったり、単なるテキストだけで表現されてしまっているために、人によりマニュアルを見て作業した結果にばらつきが出てしまうことがあります。
カレー作りの例でいえば、例えばレシピのキモが「バター20g」で食材を炒めることだった場合に、このバター20gが強調されていないと、埋もれてしまって見落としてしまうこともあるでしょう。
また、「フツフツと泡が出るまで煮立たせる」とレシピに文章で書かれていた場合、人により「フツフツ」の基準は違います。
このように文章で伝えるのがそもそも難しい場合は、画像や動画を適切に使うことも検討しなければなりません。

作成して終わりになっている
マニュアル作成で失敗する理由で意外と一番見落とされがちなことが、マニュアルを「作って終わり」になっていることです。
下手をすると一度もそのマニュアルを作成者を含めてだれも見ながら作業をしたことがない場合もあります。
これでは、属人化の原因となり、期待される品質で作業をすることは難しいでしょう。
作業内容が変更になった時は、都度内容を更新することも大切です。

マニュアルを作成するコツ・ポイント4点
マニュアル作成の失敗パターンをご理解いただいたところで、いよいよ失敗しないマニュアル作成のコツ・ポイントについてご紹介します。
コツ・ポイントは冒頭でも述べたとおり、4点あります。
- 読み手・用途・閲覧シーン・ゴールを明確にする
- よりわかりやすいマニュアルになるよう構造・構成を決め、表現・文章を工夫する
- 実際にマニュアルを見て業務・作業をしてもらい、マニュアルを改善する
- スケジュール・作成者を決め、最初から100点を目指さない
①読み手・用途・閲覧シーン・ゴールを明確にする
マニュアルは、作り始める前の想定・準備が大切です。
まずは読み手とシーンをできるだけ明確に想定・定義しましょう。
ここで明確に定義すべきは、以下のポイントです。
- 利用者・タイミング(誰が・いつみるのか)
- 対象・範囲(何を・どこまでつくるのか)
- 場所・手段(どこで・どうやって見るのか)
- ゴール・達成基準(どうなればOKか)

どのように決めたらよいか、事業ごとの例を表でまとめてみました。
このようにマニュアルを作成する前に表に整理してみるとブレが少なくなります。
事業内容 | 利用者・ タイミング |
対象・範囲 | 場所・手段 | 達成基準 |
---|---|---|---|---|
誰が・ いつみるのか |
何を・ どこまでつくるのか |
どこで・ どうやってみるのか |
どうなればOKか | |
店舗運営 | 店舗スタッフ 研修・通常業務時 |
店舗運営関連 ※規約やルールに関するものは対象外とする |
店舗 タブレット |
本部へ確認することなく業務遂行できる |
製造 | 各レーン担当者 定期教育時 |
クレームの状態、 原因・対策を記録する |
工場内 モバイル端末/紙 |
クレームの概要を理解する |
小売 | 配送委託先スタッフ 研修・商品納品時 |
配送先の個別ルール (納品場所・特記事項など) |
事務所/車中 モバイル端末 |
ミス・トラブルなく納品を完了する |
だれに、いつどんなときに、なにをどこまで、どこでどうやってみてもらい、どうなればOKか?に答えられるかがひとつのチェック観点になると言えます。
②よりわかりやすいマニュアルになるよう構造・構成を決め、表現・文章を工夫する
■ 構造・構成
業務とは「動作」または「作業」の集合です。
ひとつのマニュアルの対象範囲は「ひとつの業務」または「ひとつの作業」とし、ステップ形式になっているとわかりやすくなります。ステップの基本単位はひとつの動作(指示)になっていると良いでしょう。
例)マニュアル「レジで現金会計を行う」
Step 1:レジへ入金する
Step 1-1:現金を受け取る
Step 1-2:紙幣を揃える
Step 1-3:受口に投入する
Step 2:レジからお釣りを出す
Step 2-1:モニターを目視する
Step 2-2:トレーを開く
Step 2-3:現金を取り出す

注意点として、あまりに長くなる場合は分割を検討しましょう。
■ 表現・文章
文章で書く場合は、1文は50文字以下にし、以下の点に気をつけると良いでしょう
- 「など」を多用しない
- 専門用語や略語には説明や補足の記載を忘れずに
- 用語や表記は一貫性を持たせる
- 曖昧な動詞ではなく、意味が限定される動詞を選ぶ
曖昧な例 | 良い例 | |
例1 | 提出書類を確認する | 提出書類に不足がないか確認する 各項目に入力漏れがないか確認する |
例2 | 不良品を処理する | 不良品を見つけたら回収ボックスへ入れる |
例3 | つまみを調整する | 目盛りが0になるまでつまみを右に回す |
例4 | 在庫を管理する | 棚卸をし、管理表と相違ないか比較する |
例5 | 必要に応じて入力する | A列とB列の値が同じ場合にC列に入力する |
他にも、文章では伝わりづらい場合は、可能な限り画像や動画を添えられると、よりマニュアル閲覧時の作業の再現性が高まります。
③実際にマニュアルを見て業務・作業をしてもらい、マニュアルを改善する
マニュアルは見た人が同じように業務・作業ができるようにするためのものです。
マニュアル作成が完了したら、実際にそのマニュアルの対象として想定していた方にマニュアルを見て作業をしてもらいましょう。
実際に閲覧してもらって、うまくいかなかった・つまづいたところは情報を共有しながら直していくことで、マニュアルの品質・価値は上がっていきます。

④スケジュール・作成者を決め、最初から100点を目指さない
マニュアル作成は、実は、やりはじめるとキリがありません。
上記で説明したように、たくさんある業務のどこを切り出してどう構造化しわかりやすく表現するか?を突き詰めて網羅的にしようとしすぎると時間が膨大にかかってしまいます。
そのため、マニュアルを作成・公開・周知・改善するスケジュールを、誰が実施するかとともにしっかり決めましょう。
また、ポイント3で解説したように、改善することでマニュアル品質を上げていくことができるので、最初から100点を目指さないことが大切です。

おわりに
この記事では、マニュアル作成のコツを、マニュアルの目的や失敗する理由を踏まえて解説してきました。
今回ご紹介した内容を少しでも理解してマニュアルを作ることで、本来の目的を達成できるマニュアルに近づけることができるはずです。
ただ一方で、マニュアルはあくまで目的達成や課題解決のための「手段」です。
マニュアル作成自体が目的やゴールになってしまわないように気をつけましょう!
失敗しないマニュアル作成を効率化するには?
「この記事ではマニュアル作成のコツをご紹介しましたが、実際に閲覧者を困らせないわかりやすいマニュアルを1から作るのはなかなか難しいと思います。
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※アイディエーション社調べ(2021年3月現在)、ITR 『 ITR Market View デジタル・アダプション市場2021』マニュアル作成支援市場:ベンダー別売上金額推移およびシェア(2019~2021年度予測)