Salesforceは、ビジネスにおいて顧客管理や営業支援、マーケティング活動など、幅広い機能を提供するクラウドベースの統合型プラットフォームです。その優れた機能と利点により、多くの企業が導入し成果を上げています。この記事では、Salesforceの基本的な機能やメリット、そして注意点について詳しくご紹介します。Salesforceの活用方法や成功のポイントを知りたい方は、ぜひ読み進めてください。
Salesforceとは
Salesforceの概要
Salesforceは、クラウドベースのカスタマーリレーションシップマネージメント(CRM)プラットフォームです。Salesforceを使用することで、見込み顧客との接点を創り出して強化し、成約までの一連のプロセスを効率化・最大化することが可能です。それにより、顧客の獲得や育成、顧客満足度の向上を実現できます。
Salesforceは単体のサービスや機能を指すものではなく、顧客との接点領域によってさまざまな製品に分かれています。営業支援(SFA)領域だけではなく、顧客管理(CRM)やマーケティングオートメーション(MA)など多様な製品があり、それらを組み合わせて使用することでより高いパフォーマンスを発揮します。
Salesforceの主要機能
- 顧客管理
取引に関する活動履歴、おもな連絡先、顧客とのやり取り、取引先に関する社内ディスカッションなど、顧客に関する情報をまとめて把握することができます。企業の財産である顧客情報は高度なセキュリティにより守られています。 - 営業支援(SFA)
取引先や商談の管理、営業日報、案件管理など営業支援システム(SFA)を、適切なタイミングでさまざまなデバイスから確認することができます。 - マーケティングオートメーション
BtoBに特化したマーケティング業務の効率化を実現するツールです。
企業がマーケティング活動を効率化し、個別の顧客に対してターゲティングされたコミュニケーションを送るための機能やツールのセットです。マーケティングオートメーションは、以下のような機能を提供します。 - カスタマイズと連携
もともと備わっている充実した機能に加え、外部システムや独自で開発したシステムとも連携が可能なため、Salesforceを利用する企業の事業内容に応じて内容を自在に拡張できます。
また、スマートフォンなどパソコン以外のデバイスとも連携し、リアルタイムでデータを確認できるため、迅速な対応や提案につながり、顧客満足度の向上も期待できます。また、AIなどの新技術も積極的に取り入れられています。
Salesforceの製品・サービス
- Sales Cloud
Sales Cloudは、営業活動を支援するCRM(顧客管理ツール)/SFA(営業支援ツール)です。
営業活動の生産性を向上させることで、商談期間の短縮や受注率の向上、案件規模の拡大が可能になるため、売上・利益拡大を支援することができます。顧客や案件の情報が一元管理できるため、営業活動だけでなく会社全体で情報や知見を共有でき、部門を超えた連携の強化に効果を発揮します。 - Service Cloud
Service Cloudは、顧客満足度や顧客ロイヤリティの向上を実現するカスタマーサービス支援ツールです。情報が分散しがちなコンタクトセンター業務において、顧客情報を一元化することで、即座にお客様に対して必要なコミュニケーションをとることが可能になります。スムーズな対応により顧客満足度向上につながります。 - Marketing Cloud
Marketing Cloudは、SalesforceのCRMに蓄積されたデータをもとに、顧客一人ひとりに寄り添ったOne to Oneマーケティングを可能にするプラットフォームです。メール、SNS、Webなどさまざまなチャネル・デバイスでの顧客行動を把握することで適切なタイミングで適切なメッセージを顧客に発信し、より深いコミュニケーションを可能とします。 - Commerce Cloud
マルチテナント型クラウドベースの、Eコマースプラットフォームです。Web、ソーシャル、モバイル、店舗などのあらゆるコマースの場面におけるあらゆる取引を統合できるのが特徴です。
B2C CommerceやB2B Commerceなど需要の違いに合わせたコマースプラットフォームが提供されており、B2CからB2B、注文処理、マーケティングなどの一連のサービスが利用可能です。 - Salesforce Platform
Salesforce Platform は営業活動の自動化による効率化を支援するサービスです。アプリケーションの構築から実行・管理・最適化をおこなうことが可能です。パッケージ化されていない製品やSaaSで提供されていない場合でも、ローコードツールで簡単に作成し、優れた顧客体験を提供することが可能です。
Salesforce導入のメリットとデメリット
Salesforceを導入するにあたってのメリットとデメリットをご紹介します。
スムーズに運用するためにも、まずはメリット・デメリットを理解して、業務に活かしましょう。
Salesforce導入のメリット
- 顧客情報を一元管理できる
CRM機能によって、さまざまな顧客情報を一元管理できます。これまで営業担当者だけが把握していた情報を、部門内の社員やマーケティング担当者にも共有できるようになります。情報を共有することで、顧客へのアプローチをより効率的かつ効果的に行うことができます。 - 営業活動を効率化できる
情報の共有によって、営業活動を効率的に行うことができます。顧客の予算状況や競合他社の情報、案件の進捗状況などの顧客データを一元管理しているため、上司や他の営業担当者と協力して適切なアプローチやタイミングを見つけることができます。また、担当の引き継ぎもスムーズに行え、顧客満足度の向上にも役立ちます。 - リアルタイムでデータ分析ができる
顧客データや営業データの分析を「リアルタイム」で行えます。Salesforceに備わったレポート機能やダッシュボード機能を使うと、さまざまな視点からデータを抽出し、グラフなどで視覚化することができます。リアルタイムでデータ分析を行うことで、営業の問題点や改善点をより明確に把握することができます。 - MFA(多要素認証)がありセキュリティが高い
セキュリティの高度化につながる点として、MFA(多要素認証)が採用されていることが挙げられます。MFAは、ログイン時に2つ以上の身元証明を必要とする、安全性の高い認証方式です。Salesforceはクラウド型サービスであり、データをインターネット上に保存するため、セキュリティ強化は非常に重要です。 - 導入後のサポートがついている
Salesforceの専門家による導入サポートを受けることができます。システムを導入した後も、オンライン学習やコミュニティの利用が可能であり、システムの問題解決に役立ちます。また、プレミア以上のプランでは、24時間365日の電話サポートも受けることができます。 - 他部署との連携が取りやすい
Salesforceのさまざまなツールを活用することで、他部署との円滑な連携が可能です。特にマーケティング、営業、カスタマーサポートなどの部門間の連携は、自社の売り上げに大きく関わります。情報を一元管理することで、担当者同士だけでなく、各部門間の連携も強化することができます。 - 顧客の満足度向上につながる
顧客に関するあらゆるデータを管理することで、顧客の満足度を向上させる施策をしやすくなります。最適なタイミングで営業アプローチしたり、顧客の経営課題に合った提案をしたり、スムーズなカスタマーサポートを提供したりすることができます。顧客のニーズをより理解した上で、サービスを提供できます。 - 社員の業績を評価しやすい
リアルタイムなデータを管理することで、社員の業績評価が容易になります。営業担当者の目標や進捗状況、案件数、契約数、売上などのデータを一元管理できるため、人事部が業績評価の参考にすることもできます。営業プロセスなども把握できるため、より正確な評価が可能になります。
Salesforce導入のデメリット
- すぐに結果が出ない
Salesforceを導入しても、すぐに結果が出ないことがあります。このツールは、データが蓄積されるほどにより良い成果が期待できるようになります。ですので、即時の効果を求めている企業には向かないかもしれません。Salesforceは長期的な視点で利用する必要があります。 - 運用担当者の負担が増える
Salesforceの運用担当者は負担が増える可能性があります。特に専門のスタッフがいない場合、操作の習得やシステムの理解、データの入力など、ツールを使うスタッフに負担がかかります。通常業務に加えて負担が増えるため、スタッフの不満が生じる可能性も考慮する必要があります。 - ランニングコストがかかる
Salesforceを運用するためにはコストがかかります。ユーザー数や利用する機能、サポートの範囲などによって、毎月のランニングコストが変動します。導入前に費用対効果を計算し、適切なプランを選択する必要があります。また、ツールの価格のみならず、運用に関わる人件費についても考慮しておくと良いでしょう。
Salesforceを導入する前に
Salesforceはうまく活用すれば非常に便利なツールですが、導入時の設計を誤ると、使い慣れていないユーザーにとってかなり使いづらいツールになります。
以下に、Salesforceを導入する際に注意しておくべきポイントについて説明します。
Salesforce導入時の注意点
- Salesforce導入の目的を明確にする
新しいツールを導入する際に問題となるのは、スタッフからの「変更への不満」です。このような不満を事前に解消するために、Salesforceの導入目的や意図を運用スタッフにしっかりと説明しておきましょう。例えば、「営業活動の管理と売上の向上」といった具体的な目的を明確にすることで、導入直後から効果を実感することができます。 - 入力項目を過剰に増やさない
Salesforceでは多くのデータを管理できますが、入力する項目を過剰に増やすと逆に使いにくくなる可能性があります。また、入力項目が増えるとスタッフの作業量も増えます。入力作業が膨大になりすぎると不満が生じる恐れがあるので、入力項目の選定には慎重に取り組みましょう。 - 担当者にフィードバックを提供する
Salesforceの導入により、より詳細なデータを管理し分析することが可能になります。しかし、Salesforceを効果的に運用するためには、管理者から担当者への適切なフィードバックが重要です。営業成績を改善するためにデータをフィードバックすることで、スタッフのモチベーションも向上するでしょう。
必要なスキルと知識
Salesforceを導入し、運用・保守するためには、以下のスキルと知識が必要です。
- 顧客と業務の理解
- Salesforceのカスタマイズに必要な仕様理解と開発言語Apexの習得
- Salesforceの管理機能に対する理解
運用上のポイント
- 入力項目を過剰に増やさない
Salesforceは多くの項目を管理できる機能がありますが、すべてを使用しようとすると入力作業に追われて業務が進まなくなる可能性があります。導入目的を明確にし、必要な機能のみを活用することが重要です。入力作業が煩雑になると続けることが難しくなるので、初めは必要最低限の項目に絞り、ユーザーが慣れるまで入力項目を過剰に増やさないように注意しましょう。 - スタッフへのフィードバックを行う
多くのデータを入力してシステム上の情報を蓄積しても、営業活動に生かさなければ意味がありません。現場の管理者はデータをしっかりと分析し、スタッフにフィードバックすることが必要です。営業活動の内容の正確性や改善点を伝えることで、業務の向上につながります。 - 導入目的を明確にする
Salesforceのような明確な目的を持つツールを導入する際は、導入目的を明確にする必要があります。営業スタッフや業務の管理、現状の改善が目的であることを明確に伝えましょう。また、目的を明確にし、スタッフが納得できる説明をすることで、安心して作業に取り組むことができます。
Salesforceの効果的な使い方
- 商談前に顧客の最新情報を確認する
- 商談後に進捗や成果を入力する
- スケジュールを共有する
- 日報や報告書を作成して共有する
- メールやチャットツールなどでやりとりを行う
Salesforce活用に適した企業と企業規模
Salesforceと相性が良い企業
Salesforceを導入することをおすすめできる企業には、以下のような特徴があります。
・顧客データを多く保有している企業
・大規模な企業
・他社から積極的に学び、成長意欲のある企業
大規模な企業に適している理由
大規模な企業は、部門間の連携のハードルが高いため、Salesforceの導入効果を実感しやすい傾向があります。しかし、Salesforceは企業の規模や業種に関係なく、自社に合わせてカスタマイズできるツールです。そのため、どんな規模や業種の企業でも利用することができます。
Salesforceを活用してビジネスを成功させる方法
データを活用した意思決定
Salesforceは、社内の各部門から得られたデータをリアルタイムに反映し、共有することができるツールです。これにより、迅速な意思決定に役立つ情報を収集することができます。特に、ダッシュボード機能は、さまざまな形でレポートを視覚化し、一つの画面にまとめることができるため、非常に便利です。
顧客エンゲージメントの向上
Salesforceを活用することで業務効率が向上し、顧客満足度も向上します。顧客情報をSalesforceに蓄積することで、顧客の経営課題に合わせた的確な提案を適切なタイミングで行うことができます。また、トラブルが発生した場合も迅速な対応が可能です。担当者が変わっても、顧客情報が一箇所に保管されていれば、一貫したサポートを提供できます。さらに、Salesforceの活用により、顧客ニーズの把握だけでなく、市場投入や商品開発、フィードバックなどのプロセスをスムーズに進めることができます。顧客の期待を超えるアプローチやサポートを実現することで、顧客満足度の向上を目指せます。
ウェブマーケティング効果の最大化
Marketing Cloud(マーケティングオートメーションツール)を活用することで、ターゲットに合わせたコンテンツ配信やリード管理を行うことができます。これにより、マーケティング活動の効果を最大化し、売上向上につなげることができます。
Salesforceの学習とサポート
Salesforceを学ぶための動画や、導入・運用パートナーの選び方について紹介します。
動画で学ぶSalesforce
Salesforceの公式サイトには、salesforceの学習に役立つ多くの動画や資料が用意されています。
実際の操作を見ることで、Salesforceの機能を理解しやすくなります。
<Salesforceの学習に役立つ動画>
導入・運用パートナーの選び方
- Salesforce公式サイトから探す
セールスフォース社の公式サイトには、コンサルティングパートナーを探すためのページがあります。Salesforce公式サイト内の「AppExchangeページ」では、製品や業種で絞り込んだり、認定資格保持者の人数やユーザーの評価でパートナー企業を探したりすることができます。
無料トライアルの申し込み
無料トライアルでは、インストールやソフトウェアのダウンロードは不要です。
本番環境そのままのサービスを気軽に試すことができます。
<30日間無料トライアル – SalesCloud>
Salesforceを最大限に活用するために
この記事では、Salesforceの基本的な機能やメリット、そして注意点について詳しく解説しました。
Salesforceの機能は、顧客情報の一元管理やリアルタイムなデータ分析、効率的な営業活動の実現など、多岐にわたります。これにより、企業は顧客とのエンゲージメントを向上させ、ビジネスの成功に繋げることができます。
一方で、Salesforceは多機能な分だけ、導入当初のハードルも少なからず生じます。例えば、すぐに結果が出ないことや運用担当者の負担増加、ランニングコストのかかり方などが挙げられます。これらの点に留意しながら、Salesforceを効果的に活用することが重要です。
Salesforceは、ビジネスの成果を最大化する強力なツールです。適切な導入と運用によって、顧客エンゲージメントの向上や意思決定の迅速化、マーケティング効果の最大化など、数多くの価値を享受することができます。
皆さんもSalesforceの機能やメリット、注意点について理解し、ビジネスに活かしてみてください。
「初めてのSFA・CRMの導入で上手く使いこなせない」
「自社用にカスタマイズしたいが、どのような機能があるのかわからない」
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